Research summary

研究概要

 摂食障害は、主に10代〜20代の女性に多い疾患である。本障害は、神経性やせ症(Anorexia Nervosa:以下AN)、神経性過食欲症(Bulimia Nervosa:以下BN)、むちゃ食い障害(Binge Eating Disorder:以下BED)に大別される。AN、BNは強いやせ願望を有しており、著しい体重低下(BMI17.5以下)が認められる場合にはANに、認められない場合にはBNに分類される。さらにANは過度に食事を制限する制限型と、過食の後に嘔吐や下剤乱用などの排出行為を繰り返す過食排出型に分類される。BEDはやせ願望はなく、過食のみを繰り返すタイプである。

 摂食障害に対しては根本的な薬物療法はないものの、家族療法、対人関係療法、認知行動療法、ガイデッドデルフヘルプなどの心理療法が用いられ、一定の効果を認めている。しかしながら、神経性やせ症に対する心理療法のエビデンスは非常に限られており、効果的な治療法の開発に向けた研究成果の蓄積が急務である。我々の研究チームでは、MRI、fMRIを用いて、神経性やせ症患者の心理、認知的特性の神経基盤を多角的に検討してきた。今後は、rTMSやマインドフルネスを用いた治療効果の検討や、予防プログラムの開発、愛着スタイルによる脳機能の差の検討などを行なっていく予定である。

進行中の研究課題

  1. 神経性やせ症における反社会的行動とその神経基盤
  2. 摂食障害に対する認知行動療法の有効性の神経科学的エビデンスの創出(AMED分担研究)
  3. マインドフルネスによる神経性やせ症予防プログラムの開発研究 – fMRIを用いて –

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